2012年2月22日水曜日

2012/02/20

あと何回往復するんだろうなあ、と車の前方に広がる道を眺めていた。
もう何十回となく、往復した道だ。
大体の時間配分も出来てきて、ここいら辺りで休まないと、
着いてから眠れないぞと躰が反応している。
でも、いつだってそんな躰の反応を無視して、着いてから、ひどいしっぺ返しを食らう。
歳をとるに従って、躰の揺れが激しく、なかなかおさまらない。
「あ、地震だ」
と独り言を言って、
「いや、違うか…」
と取り消したりしている。

ハンドルを握りながら、聴くのは昭和の歌謡曲だったり、
ニール・ヤングだったり、
ジェイソン・ムラーズだったり、
スプリングスティーンのネブラスカだったりする。
いつの間にか、ディランのブートレグはなくなっている。
いつの間にか、RCもなくなっている。
沢田研二も、高田渡も、ブラッサンスもなくなっている。
とは言え、新しいのも入れてない。
最近入れたのは、何だったろう?
ああ、そうか、ルー・リードだ。
繰り返し聞くのは、
「マクマレン兄弟」のサントラ。
何度聴いても飽きない。
それとこんなのも入ってる。
何かの雑誌のおまけに着いてた田中角栄の講演のCD。
あの自信満々のどら声を聞くと、何だか元気が湧いて来る。
でも、朝方は、少々やかましいかな?

今日は、果てしなく続く車線を眺めながら、
死んで行った人たちのことを、思い出していた。
祖母のこと、
叔父のこと、
母のこと、
渡さんのこと、
恵三さんのこと、
親父のこと、
そして、淡島さんのこと。

そうだったな、
高品さんのことも思い出したな、
緒形さんや、
南のことも、
田舎の祖母や、祖父のことも、
思い出しては、消えて行く、
浮かんでは、溶暗していく、映画のように。

車を停めてから、近くのデニーズで、軽く一杯。
でも、飲み干すことも出来ない。
一杯の焼酎ももてあますほどに弱くなっちまった。
「なんて、こったい」
真夜中だって言うのに、早々にコーヒーへチェンジ。
「バニラホットケーキなんか、パクつくんじゃないよ!」

トイレの手洗いの鏡を見て、
少しだけ、戸惑ったよ。
だって、みんなそこに、いるんだもんなぁ。

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